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最近読んだ本 [September]

Last Update: 2005.9.16
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物のかたちのバラッド・片岡義男

kataoka
物のかたちのバラッド
片岡義男さんが自分の母親と同い年だと知ったときはちょっとショックでした。中学・高校の頃よく読んでいたのでもっと若い方かと思ってたんですが。いい意味でも悪い意味でも成長期にあった私にとって母とそして片岡義男の影響力は偉大でした。

とはいっても、片岡義男の本によくでてくる、バイクは嫌いだったし(騒音も排気ガスも嫌い)、広島に育ったのでサーフィンをやってる人を自分の目で見たのもつい最近、バラッドだってなんのことかわからないし、1977年には9歳だった私にはプレスリーは過去の出来事!というわけで、小説のほうはあんまり覚えていないのですが、そのかわりエッセイが好きでした。旅とか、ハワイとか、物(デザイン)について、特に紅茶や子供の頃に片岡さんのまわりにあったアメリカのもの(文房具)についての文章が好きでした。あと本のタイトルがすごくよかった。人称代名詞の組み合わせが。英語って物の関係がパターン化しているから面白いですよね。英語に接することが多かった私はどうも人称代名詞がでてこない日本語の文章が苦手です。だから自分でよむ文章は翻訳もやってる作家の本が多いです。

さて今回読んだのは「物のかたちのバラッド」です。60年代半ばの日本でイラストレーターとして活躍する青年達のお話です。全部で8話。ノスタルジックでやさしい感じのお話です。若者を書くのは片岡さんが30年以上続けてきたことなのですがやはり私が読んでいた80年代のお話にでてくる若者達がいまそこで自分の感覚を通してなにかを体験していくプロセスをうけとめることがせいいっぱいだとすると、同じ若者が主人公でもこの物語にでてくる若者達はそのプロセスを楽しむ余裕があるんですね。もしかすると主人公達が絵を描く才能にとてもめぐまれていて、そのことを疑っていないという自信から来るところが大きいかもしれませんが。私にはどっちちかというと今でも「吹いていく風のバラッド」のほうがしっくりくるかなと思いました。
心臓を貫かれてーマイケル・ギルモア(著)村上春樹(訳)

gilmore
心臓を貫かれて
文庫もあります!
心臓を貫かれて〈上〉
心臓を貫かれて〈下〉


gilmore
Shot in the Heart
この本は、殺人の罪に問われ、死刑の判決をうけ、終身刑扱いで刑務所につなぎとめていられるよりは死を望み、1977年に処刑されたのゲイリー・ギルモアの弟、マイケル・ギルモアが書いた自伝です。アメリカでは死刑の判決が下りても、事実上、終身刑(刑務所で拉致されたまま一生終える)が多いので、本当に死刑になった人が出たのは60年代より10年ぶりということで当時かなり話題になったようです。

アメリカでは「True Crime」「現実にあった犯罪」の本がたくさん出ていてどれもよく売れているみたいです。私も結構この手の本が好きでいままでいちばん印象に残っているのジョン・レノンを暗殺した男の話です。会社の帰りに毎日本屋に寄り道して10日ぐらいでハードカバーの本を一冊よんだ記憶があります。(暇なときにタイトルを調べて見ます。)ただ私の知る限りでは犯罪者自信の手記や自伝はまれで、家族の手によって書かれた本というのはほとんどないようです。たいていは暴力的犯罪を引き起こした本人に精神異常がある場合や、もちろん教育のない人も多いし、長くて客観的な文章をかけるような人がほとんどいないのと、もちろん家族の立場からすると、事件を振り返るのはお断りだということですよね。問題を起こした親族を話題にもしたくないという人も多いはずです。

というわけで、ジャーナリストがプロとして介入せずに犯罪の当事者の弟によってかかれたこの本は、ほかの本にはない距離のとり方と親密さゆえに痛々しい物語になる可能性が最初からあったというわけです。(とはいっても、マイケル・ギルモアは職業が記者だし、この本では同じサブジェクトで本を書いたノーマン・メイラーがプロのジャーナリストして、つまり、第三者として取材したときの記録もたどっているので本当の意味では個人的な手記とはいいきれませんが。)

期待を裏切らずお話はかなり痛々しいものです。野生の動物がいきなり檻にいれられれば自分が傷つくことになっても檻から逃げ出そうとするはずです。そこには理性の入り込む余地がない。虐待された犬が保身のために人をおそう。そこには理性の入り込む余地がない。いちど損なわれたものはもとには戻せない。そういったお話がえんえんと続くので。ただ、ギルモアの家族の歴史が(Family History)かなりユニークなものであることと、背景描写が巧みなのであきずに読みきれます。

実は私は最初の章が夢の描写で始まり、そのため前後関係がわからず、読みにくかったので、本の1/3ぐらいから読み始めてそこから、前後に本をすべて読むという変則的な読み方をしたのですがそれでも楽しめました。

ところであとがきに翻訳者の村上春樹さんが「あまりにくどいので適当に削らせてもらった」みたいにかいてあるので、何パーセントぐらい削られているのか気になるところです。まだ、英語で読んでないのですが、私は助長であいまいなところがわりと好きなんだけど。村上さんの文章はてきぱきしていますよね。無駄がなくてきれいに整理してある。その傾向が最近というか「海辺のカフカ」には、強かったように思います。

関連リンク: 村上春樹の翻訳絵本集・クリス・ヴァン・オールズバーグ(C. V. Allsburg)7冊
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